花とミツバチ



「まぁ理由は色々ですけど…けど下心はないんで!それだけは信じてください!」

「じゃあ、絶対手出しはしないって言い切れるのね?」

「はい!あ、でも抱き締め…いや、手くらいはつなぎたいですけど…でも手出しはしないです」

「…本当?」

「はい。藤田先輩にちゃんと好きになって貰えるまでは、絶対」

「……」



私が抱いていたひとつの不安を綺麗さっぱり拭うように、堂々と言い切る彼。

真っ直ぐな瞳から感じるのは、その言葉はからかいや下心なんかじゃなくて、ちゃんとしたひとつの恋心だということ。



(…本当、変わってる)



頬を真っ赤にしながら

そんなこと堂々と言うなんて

きっと彼は、真面目で純粋で

そんな姿が可愛くてついこぼれる笑み。



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