花とミツバチ
「あれ、っていうことは藤田先輩…さっきの話」
「うん、聞こえてた。ごめんね、事務員の癖に可愛げもないうるさい女で」
「!あ、あれはその…」
皮肉っぽく言ってみせれば、千葉くんは別に自分が何か言ったわけでもないのに、わたわたと慌ててフォローする言葉を探す。
「いや、あの、先輩たちもああは言ってても本音ではちゃんと分かってるっていうか…でもどうしても、素直には納得出来ないっていうか…」
「うん、まぁ田中さんたちの言葉はどうでもいいんだけど」
「へ?」
「千葉くんの言葉、嬉しかった。…ありがと」
「……」