花とミツバチ



「今日は帰らなくて大丈夫なんですか?」

「あぁ。奥さんと子供、昨日から実家に遊びに行っててさ。明日まで帰ってこないから」



そして体を抱き締めるそのたくましい腕に応えるように胸に顔をうずめ、余熱を分け合う二人。



「…、…」




今だけは、私のもの

今だけ、

今、だけ

最後にはどうせ、他の人のものになるけれど。



(…こうして、彼のことを考えているのに)



頭に浮かぶのは、またあの笑顔。それを消すように眠りに落ちる。



彼の体温と、罪悪感を抱いて。





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