花とミツバチ
4.シトラス
ー…
それから一夜明けた、翌日。晴れた朝のオフィス街を私は一人歩いていた。
その足は、ホテルから直接会社へと向かって
(一応シャツは買い替えたけど…せめてシャワーくらい浴びてくればよかった)
ついゆっくり過ごしすぎてシャワーを浴びる時間は無く、髪の匂いをくんくんと嗅げばどこか彼の匂いがする気もする。
「おはよーございます!」
「…千葉くん。おはよう」
すると背後から明るく声をかけたのは、今日も元気の良い千葉くん。
「……」
「?どうかしました?」
「う…ううん、何でもない」