『※ BLではありません。』
「ツバキ…行くぞ」
葬式の後、僕の手を引く楓。
手を繋ぐことは別に嫌ではないけれど、
父親がいなくなってからの楓はなんだか過保護な気がする。
「キリ?」
桐が反対の手に触れて、ぎゅっと力を込めてきた。
どうしたんだろう?
僕にはよくわからなかった。
もっとも、桐の方はある程度想像がついた。
不安、寂しさ、恐怖。
桐は、父親と仲が良かった。
末っ子のせいか、次男のせいか、それとも、自分に一番似ていたからか…
父親は桐には優しかった。
勿論、手を上げたことがないわけじゃない。
それでも、死を悲しんで泣くくらいには、桐にとっては''いいお父さん''だったみたい。