彼氏は11才!?
痛みに激しく虎は暴れるが、私は虎の顔面を掴んだまま離さない。


暴れる虎の爪があちこちに当たり、血が滲む。


タラリ、と額から流れる血を拭いもせずに私はトドメを加えるべく、頭から手を離して虎が倒れる前に背後へと回って抱き抱えるように腕を回した。



そして。




「死にさらせェェェェェッ!!」



倒れてくる虎の体重を利用し、ジャーマン・スープレックスをキメた。

虎を相手に。


バコァッ!!と鈍い音を立てて虎の頭がアスファルトへとめり込んだ。


ちなみにジャーマン・スープレックスとは、背後から相手の腰に手を回し、ブリッジをするように相手を投げ固める技である。


だが、さすがは虎。

まだ失神はしない。



「まだまだァ!!」



続け様に私はワシントン条約で保護されている虎の首を両足の間に挟んで絞め上げた。


余談だが、脚力は腕力の3倍あるらしいよ。




「白雪の勝ちだな」

「まさか虎に勝つとは…」


上から降ってくる紅ちゃんと乃薔薇ちゃんの声を聞きながら、私は更に強く虎の首を絞め上げる。


暴れる虎に何度か体をアスファルトに叩き付けられたが、虎の抵抗が徐々に緩慢になっていった。
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