彼氏は11才!?
親の土下座ほど痛々しいものは無い。


「母さん、紅ちゃんは?」

「紅一郎君は無事よ。家で留守番してて事故には巻き込まれなかったみたい」


良かった…!!
ちゃんと元気に呼吸して二酸化炭素を吐いてるんだね!
大気汚染バンザイ!!


それにしても…親の放任主義が紅ちゃんの命を救っただなんて皮肉な話だ。


「とにかく私と父さんは実家に行くから。アンタ達も行くならさっさと準備しなさい」

「今から!?」

「当然でしょ!アンタ達が6時間も報告しなかった所為で出遅れてるんだから!!実家の遺産ふんだくって住宅ローンを返済するんだからね!!」


拳を掲げ、息を荒げる母さん。
うぁ…超引く。
何、この母親。


母さんの言動に引きながらも私達は急いで準備をした。







〜翌日〜


AM 8:06



我が家のボロ車で二つの県を越え、ひたすら山道を走り抜けて迷子になり7時間ロスした挙げ句に四輪全てパンクという悪夢を乗り越えてようやく母さんの実家に到着した。

心なしか父さんの毛根が弱った気配がする。



「でっかー…何これ。武家屋敷?」

「母さんって金持ちだったんだなぁ…」

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