彼氏は11才!?
そして、とうとう動かなくなった虎。
泡を吹き、白眼を剥いて失神していた。
死んだかと思ったが、胸が浅く上下して生きていることを証明している。
ようやく終わった、と私はアスファルトの上に仰向けで寝転んだ。
雲一つ無い青い空が視界に広がる。
だが、その青空は紅ちゃんの影によって遮られた。
「さすが白雪。虎を倒した女子高生なんてお前だけだな」
「はは…、そうだね…」
乾いた笑いで誤魔化す私。
今朝、6年前に母が虎を倒した話をした際に『もう人類の域を超えてるよね』とかぬかしてしまったが、私も立派な人外だ。
「あ、捕獲班が来ましたよ」
「遅っ!!」
上半身を起こせば、麻酔銃と捕獲用ネットを持った男数人がこちらに走って来るのが見えた。
そしてアスファルトに横たわる虎を見て唖然とする。
「ジャスミン!?ジャスミンが失神してるぞ!!」
「何があったんだ!!ジャスミン!!しっかりしろ!!」
虎の体を必死に揺する男達。
っていうか、虎の名前がジャスミンかよ…。
ちなみに雌では無いよ。
だってさっき、雄の象徴である玉が見えたもん。