彼氏は11才!?

「分かった。明日の9時に現地でね」



エンジェル神宮という単語に突っ込むこと無く私達は明日会う約束をした。








PM 5:02


帰宅後、リビングで紅ちゃんに回し蹴りをされてフッ飛んだ正宗を受け止め、正座をさせる。



「な、何だよ…」


ビクビクとしながら仁王立ちする私を見上げる正宗。

こんな奴が不良の頂点に君臨しているなんて笑える。



「何かあったのか?」



ソファに腰掛け、煎餅をボリボリ食う紅ちゃん。
最近、我が家に汚染されてきた気がするのは気のせいじゃないはずだ。



「明日、海にダイナソー半田が来るらしい」

「ダイナソー半田だと…!?」



雷に打たれたかのような衝撃が正宗を駆け巡っていることだろう。



「『だいなそーはんだ』って何だ?海洋生物か何か……」

「フオォォォォォォォ!!ダイナソー半田ァァァァッ!!」



紅ちゃんの質問を正宗の雄叫びが掻き消す。


両拳を掲げ、叫ぶ正宗は立派な異常者だ。




「マジかよ!!姉ちゃん!!」

「マジだよ!」

「行く行く!!海行くー!!デートの予定だったけど行く!!」




正宗の期待通りの反応に大満足の私。


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