彼氏は11才!?
「紅ちゃんも行くよね!」

「行くが…『だいなそーはんだ』って何だ?」

「会えば分かる!」



あの神々しさは口では説明出来無い。
それがダイナソー半田だ。


その日、興奮の余り夜中の2時まで私と正宗はマイムマイムを踊った。












そして、翌日の土曜日。



AM 8:00



ハシャいで予定より早く現地に到着し、駅前のベンチに腰かけて変態双子を待つ私達。



「白雪、海が見えるぞ」


ベンチに乗り、向かいに見える海を眺める紅ちゃん。



「紅一郎は海にも来たことねーの?」

「見たことはある」

「そうか。なら今日は海デビューだな!」



あえて深く突っ込まずにかわす正宗は偉いと思う。
正宗なりに紅ちゃんの複雑な家庭環境を考慮しているのだ。



「夏休みになったら夏祭りに行こうよ。近くの神社で割と派手なのがやるから」

「花火は上がるのか?」

「勿論。でっけーのがバンバン上がるぜ」

「それは楽しみだな」



白い歯を見せて笑う紅ちゃんに私と正宗の表情がだらしなく緩む。

正宗にとっても可愛い弟が出来たような感覚なんだろうね。
超狂暴だけど。


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