彼氏は11才!?
「明日は小学校編入の手続きがあるから、早く寝ようね」
明日の朝、紅ちゃんは母さんと私立小学校へ編入手続きをしに行く。
もう10時前。
早く寝た方がいい。
素早くドライヤーで乾かし、サラッサラの髪をクシでとかしてあげ、いざ就寝の時。
「白雪」
「何?」
布団の上で手招きをする紅ちゃんの横にしゃがみ込めば、生暖かいモノが頬に触れた。
ちゅ、と可愛らしい音を立てたそれ。
紅ちゃんは私の頬にキスをブチかましやがったのだ。
「ひょほォォ!?」
いきなりのことに正宗張りの悲鳴を上げる私。
目の前には悪戯っぽく笑う紅ちゃん。
「僕は帰国子女だ」
「外国では普通でもここは日本!!島国なの!!」
「おやすみ、白雪」
「やり逃げ!?」
さっさと寝転び、私に背を向けてしまった。
ちくしょう…!!
不覚にも赤面してしまったじゃないか。
11歳相手に何を動揺してんだよ。
平常心 平常心 平常心 平常心 平常心
何度も心の中で唱えながら、私もベッドへと入った。
そして3秒でバンビと妖精が暴れ狂うメルヘンな夢の世界へと旅立った。
第2話 おわり