彼氏は11才!?


「「清彦おじさんって誰?」」



二人の周囲に飛び回るハテナマーク。

清彦おじさんって誰だ。


「間違い電話じゃないの?」

「ちげーよ。『羽咲さんのお宅ですか?』って言ってたし、『純子さんに伝えて下さい』っつってたもん」

ってことは母さんの身内か。
腐った頭をフル回転させ、記憶を引っ張り出すが『清彦』なんて名前は全く出て来ない。

父さんの兄であるガマガエル面の保[たもつ]は出て来るのだが。



「母さんが帰って来たら聞いてみようぜ」

「そだねー。それまでゲームしてよーよ」

「格ゲーやろうぜ。さっきの仕返してやる」


買い物に出掛けた母に聞けばいいと結論付け、キャッキャッとはしゃぎながら私達はゲームを始めた。







6時間後。

PM 7:12


夕食を食べ終え、リビングでくつろいでいた羽咲一家。


「あっ!そういえば昼に電話あったんだっけ」


ふと正宗が昼間の出来事を思い出した。
同時に私も思い出す。

母が買い物から帰って来た頃にはゲームに夢中になり、すっかり6時間も忘れてしまっていた。


「電話?住宅ローンの未払い請求?」


呑気に茶を飲みながら言う母さん。
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