彼氏は11才!?
「よし、完成!」

ゴソゴソと車の陰で着替え終え、それぞれが工具やら何やらを手に持つ。


「どっからどう見ても修理業者ですね」

「年齢層が不自然だけどね」

「父が突然な事故死。母がショックで倒れ持病の心臓発作が悪化…母の治療費を稼ぐ為に働く兄弟という設定でいこう」

「細ぇよ」


幻弥の細かい設定案に正宗が突っ込みつつ、ミッションスタート。








校門前。


「修理業者の者ですが、通していただけますか?」


なるべくにこやかに警備員に話かける。

だが、警備員達は顔を見合わせて不思議そうに首を傾げた。


「さっき、4人入って行ったぞ」


くそ…!!
まさかの先回り!!


どうする!?



「応援として呼ばれたんです」


すかさず正宗が気の利いたことを言ってくれた。


「トイレに何か詰まったらしくて酷いことになっているらしいですよ」

「しかし…応援が来るなんて話は聞いていないからなぁ。学校側の許可無く入れるワケにはいかないんだ」


なかなかガードが高いな。
生徒達の身の安全の為には良いことだが、今の私達には障害以外の何物でも無い。

どうにかして突破しなければ…。
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