彼氏は11才!?
突破手段を悩んでいると、何故か幻弥が一歩前へ出た。


あ…何か嫌な予感がする。



「トイレから排泄物が逆流しているかも知れないんですよ?悪臭漂う校舎…泣き叫ぶ生徒…迫り来る悪夢の塊!俺達が行かなければ退治出来ないんですよ!?手遅れになったら貴方達に責任が取れるんですか!?俺は構いませんけどね!むしろ燃え……ッダハァ!!」


乃薔薇ちゃんの膝蹴りが幻弥の脇腹に直撃。

アレは痛い。

でも幻弥は笑ってる。



「すみません。兄さんったら働き過ぎて頭に栄養が回っていないんです」

「俺達、母さんの治療費を稼がなきゃならなくて…。仕事をしないと社長にクビにされてしまいます」

「もし解雇になんてされたら母さんが…」



私達の言葉を聞いて警備員達に同情の表情が滲む。

まさか幻弥の細かい設定がこんなに早く役立つとは。


「トイレの修理が終ったら直ぐに戻って来るんだぞ」


「はいっ!」



よっしゃ!!
突破成功!!



ペコペコと頭を下げながら校門を通過する私達。


そして、いよいよ校内へと踏み込んだ。




「すっげー…日本じゃ無いみてー」


「噴水とかあるよ!さっきの公園には無かったのに!」
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