彼氏は11才!?
目の前に広がる庭園。
木や花の手入れは隅々にまで行き届き、中央には巨大な噴水が鎮座していた。

私達の通っていた小学校なんて中庭にヘドロに汚染された池と枯れたパンジーが敷き詰められた花壇があったくらいだ。



「さて…先に入った修理業者の人達に見付からないように紅ちゃんを探さなきゃ」


先に入った修理業者の人達に見付かってしまったら言い訳するのが大変どころか通報されてしまう可能性がある。

警察は怖くない。
一番怖いのは母さんだ。

早退した挙げ句に作業着と工具を勝手に拝借し、小学校に侵入しているなんて知れたらバックドロップを延々とやられることだろう。

ちなみにバックドロップとは、相手の背後から組付いて脇の下に頭を入れて一気に背後に投げていく技だ。

後頭部などへのダメージを与えることが出来る。




「まずはどこを探す?」

「ひとまず5年1組の教室へ言って時間割りを確認しましょう。科目が分かれば行き先も分かります」

「乃薔薇先輩、頭いいっすね!姉ちゃんとは大違い!」

「馬鹿で悪かったね」

「気にしないで、羽咲さん。羽咲さんには暴力という俺を快楽へ導く素晴らしい技術があるじゃないか」
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