彼氏は11才!?
フォローにも何にもなってねぇよ。


冷めた目で幻弥を眺めていた時。


「ちょっと、君達」


背後から声をかけられた。

ビクッと肩を跳ねさせ、背後を振り向けば…そこには眼鏡をかけた中年男性が立っていた。

キッチリとスーツを着込み、ピシッとした七三分け。

一見、サラリーマンに見えるが…まさかこの人。

教師じゃない?



「あのー…教師の方ですか?」

「そうです」



やっぱりか!!



「や、やばいよ…姉ちゃん!」

「だ、大丈夫だよ。今の私達はどっからどう見ても修理業者なんだから…」

「もしバレたら埋めてしまいましょう」

「埋めるなら俺にしてくれ」

「「「お前は黙ってろ」」」



コソコソヒソヒソ小声で話をする私達に教師が近付いてくる。


「ちょっと」

「な、何でしょう!?」


上擦った声を出す私。
乃薔薇ちゃんは手にしていた工具ケースから何故か巨大なスパナを取り出す。

え…殺す気なの?


「君達、修理業者の人達ですよね?」



何という素敵な勘違い!!


「は、はい!そうですっ!」

「チッ」


ちょいちょい。
待ちなよ、乃薔薇ちゃん。今の舌打ちに込められた意味は何?
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