彼氏は11才!?
ん…?
今日転入して来た子?


「他の子も脅えちゃってるし…何よりあの年で婚約者と同棲してるとか言うんですよ!?それも16歳の!!」


あれ…あれれ。
それって、まさか…。


「これって性犯罪ですよね!?児童相談所に通報した方がいいですか!?このままじゃ神宮君が…ッ」


やっぱり…!!
コイツ、紅ちゃんの担任だ!!


何という誤算!!(元から計画性なんて無いけど)


「姉ちゃん…」


今まで真剣な面持ちでエミリオ先生の話を聞いていた正宗が気まずそうに私を見上げた。

このままでは11歳の少年に淫らな行為をしたとかどうとかで世間に知られることとなってしまう。

事実では無くとも、格好のネタ…マスコミと奥様の餌食になってしまうではないか。



「これは非常事態ですね。白雪さんが思わぬ危機にさらされてしまっているようです」


心配するような口振りだが、乃薔薇ちゃんの顔は完全に緩んでいる。

追い詰められる私を想像して喜んでいるのだろう。


私が何とかせねば。
自分の身は自分で守らねばならない。
コイツ等に救いを求めても何もならないどころか、きっと悪化の一途を辿るだろう。



「エミリオ先生、まずは…」

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