彼氏は11才!?
「あ、ちょっと待って下さい。ケータイが鳴ってます」


私の話を遮り、ポケットで震えていた携帯電話を取り出すエミリオ先生。


「はい、エミリオです」


エミリオ先生はうつ伏せから正座に体勢を変えた。
どうせなら立てよ。


「はい…島村アンナさんは僕のクラスの子ですが。……え、居なくなった!?いつですか!?」


まさかの展開に顔を見合わせる不法侵入者4人。(私達のこと)


「分かりました…僕も探します…」


神妙な面持ちで通話ボタンを切り、そして再び…


「ぶふおぉぉぉぉぉん!!」

泣き出した。

やはり床に這いつくばって。

この人はこのまま生きて行くのだろうか。
エミリオ先生の将来が不安だ。


「どうなさったんですか?」

「グスッ、僕のクラスの子が…っ、音楽の授業にトイレに行ったっきり30分も戻って来ないんですぅ…っ!」

「ウンコじゃないんですか?」

「30分も?」

「俺は1時間かけるよ。気絶ギリギリまで我慢した後の脱糞は格別だ」

「兄さんって生きてていいんですかね」


ダメだと思う。


「トイレには居なかったみたいです。手の空いている先生方が探しているんですが見付からないらしくて…」
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