彼氏は11才!?
「迷子じゃないんですか?」

「島村さんは1年生の頃から通っているんですよ?校内で迷うはずがありません」

「じゃあ…誘拐、とか?」


ピシリ、と固まるエミリオ先生。

そして。



「ぶふおぉぉぉぉん!!」


また泣き出した。


うぜーな、コイツ。

最初のトキメキなんてゾウリムシの毛ほども無くなったよ。




「僕は教師になるべきじゃなかったんです…。海に漂うクラゲになりたかった…」

「では、来世に期待しましょう」

「配線コードを差し出すんじゃない!!エミリオ先生も受け取らないで!!」

「俺達も探すのを手伝いますから配線コードで首を吊るのはやめて下さい!!」


正宗の提案に、配線コードを個室のドアノブに結び付けていたエミリオ先生が振り返る。


「そうですよ、エミリオ先生。私達もアンナちゃんを一緒に探しますから。首を吊る暇があるなら探しましょう?」


手を差し出せば、エミリオ先生がプルプルと小鹿のように震え出した。


そして。


「ぶふおぉぉぉぉぉん!!」


また泣き出しやがった。
いい加減にしろ。


「ぶぐ…ッ、グス…!あ、ありがとうごじゃいまひゅ…!!」


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