彼氏は11才!?
「そんなに脅えないで下さい。俺は暴力なんて振るいませんよ」


にこやかに笑みを浮かべ、近付く幻弥。


「俺は暴力を振るうより振るわれる方が好きなんです。さぁ、存分に俺を殴って蹴って下さい!無論、容赦など必要ありませんよ!」


幻弥のドM発言に無言で引く誘拐犯。

さぞかしキツかろう。

私達はまだ幻弥の変態性に免疫があるからいいものの、彼等には皆無。


正に未知との遭遇だ。



「さぁさぁ!早く俺にエクスタシーを感じさせてくれ!」


ハァハァと息を荒げながら男達へと、にじり寄る幻弥は本気で気持ちが悪い。

社会に野放しにしてはいけない人種だ。


と、その時。



カランカラン カランカラン カランカラン カランカラン



どこからか教会の鐘の音が響いた。
どうやら授業の終わりを告げる鐘らしい。


「しまった!生徒達が出て来る!」


子供達が巻き込まれる前に終らさなくては!


俄かに騒がしくなる校舎を背に、残りの2人に向かって走り出す私達。(幻弥以外)


「ぅわああぁぁ!!来たァッ!!」

「に、逃げろ!!」

「逃がすかァ!!」


側に落ちていた小石を握り締め、思いっきり振りかぶって投げる。
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