彼氏は11才!?
紅ちゃんが持っていた教科書がフリスビーのように飛び、幻弥の顔面に突き刺さる。

相変わらず容赦が無い。


「いつから居たの?」

「正宗が踵落としをしたところからだ」

「見事だったろ?」

「上手くキマってはいたが…じゃなくて。お前等、こんな場所で何やってんだ?高校はどうした」


そう言われ、ハッとする私達。


「箱!」


周囲を見回し、荷台の近くに転がる箱に駆け寄る。


「アンナちゃん!」


名前を叫ぶように呼びながら箱を開けて…私達は固まった。


一度、パタンと閉じる。
そして、また開ける。


その動作を6回繰り返し、ようやく私達は現実を見つめた。



箱の中に居座っていたのは行方不明の島村アンナちゃんでは無く、薄汚いパイプや配線コード達。


「あれ…」

「アレですよ、島村アンナちゃんは実はサイボーグで分解されてこの様になったんです」

「何というファンタジー!乃薔薇はロマンチストだな!」

「現実逃避すんなよ、先輩。間違い無くコレはガラクタ詰めた箱だろ…」



じゃあ、島村アンナちゃんはどこへ?
まさか他の仲間が居て、もう外に連れ出されたとか…?


「修理業者さぁ〜ん!」

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