彼氏は11才!?
ガラクタ箱を見つめて悩む私の元へ駆けてくるエミリオ先生。


「修理業者…?」


首を傾ける紅ちゃんを視界に入れつつ、パタパタと駆けてくるエミリオ先生を見る。


「島村さん、保健室に居るそうです……って言ってももう手遅れでしたね…」

「今、何と?」

「その……具合が悪くなったらしくて、そのまま保健室に行って休んでたみたいでして…」


気まずそうなエミリオ先生の言葉に妙な汗が背中を伝う。

背後には男4人が泡を吹き、白眼を剥いて倒れている。


そう、私達は無実どころか…ただ真面目に仕事をしていた男達をいきなり襲撃し、失神させてしまったのだ。

まるで通り魔ではないか。

いや、それだけでは無い。

作業着の無断拝借は窃盗罪、そして校内への不法侵入。


立派な犯罪者だ。



「姉ちゃん…」

「どうしましょう?」



そんなの私が聞きたい。


「白雪が犯罪者でも俺はお前を愛せるぞ」


そんな告白、こんな場所でしないで下さい。


「え…じゃあ、神宮君の同棲相手って…」

「コイツだ」


私を指差す紅ちゃん。
固まるエミリオ先生。


うん、当然の反応だよね。


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