彼氏は11才!?
5歳の子に宿題を教えてもらうなんて情けない話だが、紅ちゃんは本当に頭の良い子だったのだ。
そして何より生意気だった。
私が何か言えば、倍にして言い返してきた。
それが喉を掻きむしるほど悔しくて小さな紅ちゃんにローキックを食らわせたが、上段蹴りを返されて私は気絶した。
嫌な思い出がズルズルと出てくる。
でも、いざ帰る日になると紅ちゃんは私にへばり付いて離れなかった。
声を出すことも叫ぶこともせず、ただ黙って涙を浮かべながら私から離れようとしなくて。
最終的には紅ちゃんの父・清彦が後頭部を手刀で打ち、紅ちゃんを気絶させて連れ帰った。
後に紅ちゃん一家は清彦おじさんの仕事の関係で外国で暮らすことになったと母から聞いた。
「紅ちゃんは思い出したけど、清彦おじさんの顔が全く思い出せない」
紅ちゃんに手刀をブチかました清彦おじさんの顔が全く出てこない。
まぁ、6年前だから仕方無いか。
「で、清彦がどうかしたの」
アルバムをしまいながら訪ねる母に正宗が湯飲み片手に伝える。
「事故死したんだってー」
何とも軽く、自転車で転んじゃったー、的なノリで。
そして何より生意気だった。
私が何か言えば、倍にして言い返してきた。
それが喉を掻きむしるほど悔しくて小さな紅ちゃんにローキックを食らわせたが、上段蹴りを返されて私は気絶した。
嫌な思い出がズルズルと出てくる。
でも、いざ帰る日になると紅ちゃんは私にへばり付いて離れなかった。
声を出すことも叫ぶこともせず、ただ黙って涙を浮かべながら私から離れようとしなくて。
最終的には紅ちゃんの父・清彦が後頭部を手刀で打ち、紅ちゃんを気絶させて連れ帰った。
後に紅ちゃん一家は清彦おじさんの仕事の関係で外国で暮らすことになったと母から聞いた。
「紅ちゃんは思い出したけど、清彦おじさんの顔が全く思い出せない」
紅ちゃんに手刀をブチかました清彦おじさんの顔が全く出てこない。
まぁ、6年前だから仕方無いか。
「で、清彦がどうかしたの」
アルバムをしまいながら訪ねる母に正宗が湯飲み片手に伝える。
「事故死したんだってー」
何とも軽く、自転車で転んじゃったー、的なノリで。