彼氏は11才!?
「早く!」
だが、紅ちゃんはお構い無しに私の腕をグイグイ引っ張って起こそうとする。
その問答が10分ほど続き、私は諦めた。
10分間も揺すられては、さすがの私も目が覚める。
脱臼しかかった腕を擦りながら洗面所で歯磨きを終え、リビングへと行けば紅ちゃんがテーブルの上で何かゴソゴソしているのが見えた。
「何してるの?」
覗き込めば、紅ちゃんの手元に広がる数々の料理に思わず目を見開く。
だし巻き卵に筑前煮、鮭の塩焼、ほうれん草のおひたし、豚肉の味噌炒め。
色は地味な和食ばかりだが、どれも見事な出来栄えだ。
その料理達を紅ちゃんは菜箸で弁当箱へと詰めていた。
「コレ、どうしたの?」
母さんはまだ起きていないし、母さんが作る弁当は唐揚げやハンバーグなど子供が好みそうなものばかり。
紅ちゃんの前に広がる和食料理達とはジャンルが違う。
…となれば。
まさか…。
「紅ちゃんが作った…とか?」
パクリ。
だし巻き卵を一つ食べてみる。
薄味でほんのり甘く、形も舌触りも見事。
母さんのより、ずっと美味しい。
だが、紅ちゃんはお構い無しに私の腕をグイグイ引っ張って起こそうとする。
その問答が10分ほど続き、私は諦めた。
10分間も揺すられては、さすがの私も目が覚める。
脱臼しかかった腕を擦りながら洗面所で歯磨きを終え、リビングへと行けば紅ちゃんがテーブルの上で何かゴソゴソしているのが見えた。
「何してるの?」
覗き込めば、紅ちゃんの手元に広がる数々の料理に思わず目を見開く。
だし巻き卵に筑前煮、鮭の塩焼、ほうれん草のおひたし、豚肉の味噌炒め。
色は地味な和食ばかりだが、どれも見事な出来栄えだ。
その料理達を紅ちゃんは菜箸で弁当箱へと詰めていた。
「コレ、どうしたの?」
母さんはまだ起きていないし、母さんが作る弁当は唐揚げやハンバーグなど子供が好みそうなものばかり。
紅ちゃんの前に広がる和食料理達とはジャンルが違う。
…となれば。
まさか…。
「紅ちゃんが作った…とか?」
パクリ。
だし巻き卵を一つ食べてみる。
薄味でほんのり甘く、形も舌触りも見事。
母さんのより、ずっと美味しい。