君と私のたんぼ道
「松北さんって~、休み時間になるとずっとトイレに行ってなぁい?」

「それ、分かる~!大便じゃね?」

「ギャハハ!愛美それ言い過ぎぃ!」


は?何そのしょうもない会話。
何、悪口の言い合い言ってんの?
それで、あんたらは楽しいわけ?
馬鹿みたい。
しょうもない。
ちょっとは信じてた、ここにはいじめはない、って。

別に毎日が楽しい!とかは思いたくない。
でも、もう辛い思いはしたくない。

私には優衣の気持ちが痛いほど分かる。
辛いでしょう?
悲しいでしょ?
本当は毎日、助けてって叫んでるでしょう?

いじめなんかにはなんの利益もない。
利益なんてないのに傷づく。
ただ、傷つけて、傷ついて、そしてその人を憎んでしまう、ただそれだけ。
傷つけられた人は言葉では表せれないぐらい、しんどくて、苦しくて、そして何よりも悲しい。

私は傷つけられたからこそ、今思う。
それは、優衣を守りたい。
頼りないかもしれない。
なんの意味かもしれない。
現に私だって、生きる意味、私が生きている意味が分からない。
でも、私も気持ちがあるから…。

優衣を助ける。

もう、誰も悲しい思いはさせない。
城下さんたちだって、きっと胸が痛むはず。

いじめは、やられた人だけが傷つくんじゃない。
やった人も傷つく。
本当に無意味。

だから、私は今、悲しくて辛い思いをしている優衣を助けたい。
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