カタオモイ。
二人は暗闇へと消えて行った。
あたしは静かにその二人の姿を目で追った。
暗闇といっても、上にはライトがあるけど…
受け入れられなかった真実。
いつか絶対受け入れなきゃいけなかった真実。
こんなにも早く…
あたしはちゃんと二人を見た。
平気な顔をしているかもしれないけど心はすっごく泣いているんだ。
体中から『助けてっ!』って泣き叫んでる。
そんな気持ちを押し殺して目の先には郁斗と美華。
ちゃんと…目に焼き付けたんだ。
けど…そんな気持ちはずっと続くわけもなく…
「結李…どうしよう…」
「やっぱり…本当だったんだな」
「そうだよね。あたし、ずっと受け入れられなくてずっと現実から逃げてた…」
「いいんじゃねぇか?」
「あたし、あの二人が付き合ってるって知ってても…付き合ってるって思っててもやっぱどこかで『噂』だと思ってた。」
結李はずっと『そうだな』や『うん』と頷いてあたしの話を聞いてくれていた。