カタオモイ。

「ありがとう」

「いいよ~!じゃっ!」

「ホントありがとう!おやすみ」

「おやすみー」



あたしは郁斗の姿が見えなくなるまで見てた。


心の中は“ありがとう”でいっぱい。



あたしはこんな幸せでいいんだろうか。

学校に行けば郁斗のことが好きな人だっているはず。


美華だって…


なぜかこのことを後ろめたい気持ちでいっぱいだった。


彼女がいるのに好きでいていいの?


それはいつでも心にある言葉だった。

何人かにそれを相談したことがある。

でもみんな答えは同じだった。


『いいんじゃない?
 好きなのに彼女がいるからって好きじゃなくなる意味なんかないよ!』


優しい人ばっかりだね…。

あたしにはこんなにも応援してくれてる人がいるんだもん。

期待に応えなくちゃ。






















これからあたしはまた再びあることで傷つくのでした…。










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