カタオモイ。

「とりあえず学校に電話しなさい」

「わかったー」



プルルル♪プルルル♪



「はい。春汐《はるしお》中学校、神崎《かんざき》です」


吹奏楽部の顧問の先生だ…。


「…もしもし。2年A組、吹奏楽部の時東美玲です」

「あぁ~!はい。神崎です。どうした?」

「すいません…今日風邪気味で…病院に行ってから行きたいので少し遅れます」

「あっはぁ~い。わかったぁ~。じゃっ後でね」

「はい。すいません。失礼します…」


先生の方から切ったことを確認するとあたしは静かに受話器を置いた。


「なんだって?」


あたしが受話器を置いたと同時に母が聞いてきた。


「いいってさ」

「んじゃ、病院に予約の電話しなー」

「はぁーい」


あたしは自分の診察券を見つけ出し、今度は病院に電話をした。



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