カタオモイ。
プルルル♪プルルル♪
「はい。白鳥《しらとり》内科です」
「もしもし。時東美玲と言いますけど」
「はい。今日はどうされましたか?」
「えっと、今週の月曜日くらいから咳が止まらなくて…」
今の状態も話した。
「熱はありますか?」
「いいえ。ありません」
熱もなかった。
咳が出てるだけだからただの胃腸風邪だろう、と勝手に自分で決めつけていた。
「9時45分に来てください」
「…はい」
ガチャッ―――
予約ができた。
それから、母がまた…
「何時に?」
「9時45分に来てくださいってさ…!」
「私は仕事だからお父さんに連れてってもらいなさいね」
「はぁ~い…。わかったぁ~」
そして45分に間に合うように30分には家を出た。