カタオモイ。

とりあえず今日部活行けないって学校に電話しておかないとなぁ。


プルルル♪プルルル♪


「ハイ。春汐中学校、竹内です」


サッカー部の顧問の先生だった。


「えっと、2年A組時東美玲ですけど、神崎先生いらっしゃいますか?」

「…えっ…美玲さん本人?」

「はい、そうですけど…」

「それが…今神崎先生は美玲さんのお母様と話してるんですよ」

「えっ!そうなんですかぁ??!あっ。じゃあいいです。すいません。失礼しまーす」

「はーい」


ガチャッ―――


同じ時にお母さんも電話してた…?

さすが親子…。

少し笑ってしまった。

その時一瞬だけ不安から逃れた気がするんだ…



プルルル♪プルルル♪


誰かから電話だ…


「ハイ、時東です。どちら様ですか?」

「あっ!母さんだけど、あんた病院で3年生の先輩に会わなかった?」


3年生の先輩…?

あっ!

沙希先輩の事!!


「うん…会ったよ?」

「その3年生の先輩が遅れて部活に行った時に先生に言ったんだってー」

「そうなんだぁ~!」


沙希先輩…

言ったんだ…

そして、部活にも行けたんだ…

いいなぁ…。




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