カタオモイ。
亜華音が帰った後のこと―――
プルルル♪プルルル♪
あっ!電話だっ♪
郁斗からかなぁ?♪
「はい!時東です。どちら様ですか?」
「春汐中学校の近藤ですけど美玲さんですか?」
「…はい」
意外な人から電話だった。
電話がくるなら郁斗か結李だと思ってたから…
近藤先生とは学年主任の先生。
なんの電話だろう…?
「美玲さん、大丈夫?」
「あぁ。はい、なんとか…」
「いつから学校来れそう?」
「えーっと医者に今週は無理だって言われてしまったので…」
「春中祭は?」
「あっ。行きます!何が何でも行くつもりです」
「そうなの?無理しないでね」
「はい」
電話の用件はこれだけだと思って『失礼します』と言って切ろうと思った時…
「あっ!美玲さん!」
呼ばれた。
「…はい…?」
「出校停止の紙の事なんだけど…」
「…はい!!」
あたしは即座に反応した。
「朝、美玲さんのお母さんから電話がかかってきたんだけど、出校停止の紙ね、お医者さんにもらえるそうだから…」
「…はい…。わかりました」
「では、お大事にね」
「はい…失礼します」
そう言って電話を切った。