カタオモイ。

ピーンポーン♪


「はぁ~い!」


あたしは走って玄関まで行った。


ガチャ―――


「はい!」


家には郁斗一人で来ていた。

郁斗が家に一人で来てくれるの何回目だろう…?


「うぃっす」

「ちっす」


なんだこのやりとり…


「はいこれ」

「なにこれ」

「えっ。もらった」

「誰に?」

「先生」

「なんで?」

「渡されたからー」


渡された…?

先生に…?

その時の状況が把握できてないあたしはなかなか頭の中が整理できなかった。


「えっ。でもさっき先生から電話がかかってきたよ?」

「なんて?」

「え、なんか書類は医者の所にあるからーって」

「マジで!でも貰ってきたよ?」

「そっか!ありがとう!」

「美玲、大丈夫なのか?」

「うん!大丈夫だし!全然平気だし!」

「そうか?んじゃ、オレ行くわ!」

「ん、ホントありがとう!」

「じゃーね!」

「ばいばーい」


郁斗はジャージだった。

塾かな?

忙しいのに来てくれたんだね…。

ありがとう。






< 186 / 210 >

この作品をシェア

pagetop