カタオモイ。

終わりがちょくちょく近づいてきている。


そんなとき…


「おい!美玲?!」


!!

いきなり名前を言われたからびっくりしてバッと振り返った。


「なんだ…爽也じゃん。どうしたの?」

「それどころじゃないんだって!郁斗がいたよ!」

「はぁ?うそでしょ~?」

「ホントだって!」

「爽也のことだから…絶対うそだし…。」


内心嬉しいのになぜか信じられなかった。

『郁斗がいたよ!』って言われた時、心臓が跳ね上がった。

『郁斗』って言葉が出るだけでこんなにドキドキするなんて…



「まあいいや。爽也、じゃあね。」

「おい?!絶対探せよ!いるから!」

「はいはい。わかったよ。」


あたしは手を振って爽也と別れた。



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