うしろから、そっと


私のタイプは爽やかで、筋肉質な、坂井先輩みたいな人。




あんなひょろひょろしたやつ、全然好みじゃない。





でも坂井先輩みたいなかっこいい人気者は私の事好きなわけない。





だから、心のどこかで有村でいいや、って妥協しちゃってるのかもしれない。





それはすごい失礼なこと。多分、有村は私の事好きなんだと思う。だからって、好きでもないのに付き合うのはやっぱり失礼。




そんなことを考えていたら、電車のドアが開いて同じ制服を着た人たちがぞろぞろと降りて行く。



もう着いたのか…私はもやもやした気持ちを心の奥に残したまま、その人たちについて行って電車を降りた。
< 39 / 51 >

この作品をシェア

pagetop