レモンスカッシュ
「と、遠矢?」
ん…。
軽く触れた遠矢の唇。
あの日以来されてなかったのに。
遠矢…?
「…達樹って呼べよ。
彼氏なんだから…。」
遠…矢?
本当にどうしたの?
いつもの遠矢じゃない。
いつもの…。
「ごめん。
格好悪いよな。
余裕ねぇ…。」
そう言いながら、ギュッて抱き締められる。
今は少し弱く感じる背中に私も手を回す。
そして、勇気を出して言うんだ。
大丈夫、今なら言える。
「達樹。」
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