レモンスカッシュ
ガタッと椅子の動く音が聞こえ、そちらに目を向けると、今まで黙っていた遠矢が立ち上がっている。
そして、こちらに向かって歩いて来る。
なんだなんだ?
遠矢だって私なんかと付き合いたくないでしょ?
それなら、私のとこじゃなく山田くんのとこに行ってよ!
目の前で立ち止まられ、さっきと同じ鋭い目付きで見られる。
「…お前、俺のこと嫌いなの?」
え…。
いきなりお前呼ばわり?
最悪。
やっぱり嫌い。
「うん。」
きっと私が遠矢を好きになることはない。
それは何があっても。
その自信だけが段々大きくなっていく。
絶対好きにならない。
大嫌い。
「即答?」
「本当に嫌いだから。」
遠矢も一緒でしょ?
遠矢も私のこと大嫌いでしょ?
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