明日も。今日も。
第2節 ~新しい何か~
「退院おめでとー」
「おめでとう」
「よかったねー」
そんな声があちこちから聞こえる。
精神科を退院…
なんだか気分が重くなる
(そのころの私はネガティブで
未来なんて考えているようで
考えていなかったのかもしれない)
「…お世話になりました…」
一応世話をしてくれた方々に挨拶をする。
「あら。櫻さんが口を開くなんて珍しいわねぇ~」
通りすがりのよく見かけるおばさんが憎たらしく私に言った
「ちょっと、新橋さん。やめてくださいな。
やっと退院できたんですから。」
「…ふんっ…」
“餓鬼か。”