双華の香
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「…さて、それでは行くとするか」
身なりを整え歩き出そうとする欄菊さんをみて、はっとする
「あの…姉様…!」
「…なんだ?」
「その…入れ替わるって話、本気ですか?」
「あぁ」
当たり前のような顔をして、欄菊さんが頷く
「今更どうした、怖くなったか?」
「いえ…まぁ」
「大丈夫、わたしたちは生き写しのように姿形がそっくりだ
よっぽどの事がない限り、気づかれることはないだろう」
「…それなら、聞かせてもらえますか
姉様がどのような方なのか」
「ん…?どういう意味だ」
すっと振り返り、わたしの目を真っ直ぐに見つめる