双華の香








「………」




どれくらいこうして座ってるのだろう


辺りの空気が冷えて、指先が冷たくなってきた






「――――小春ッ!?」





その冷え切った空気に、聞き慣れた声が響き渡る





「…み…ちゃん…?」



「お前…っ!!!」





みっちゃんは急いでわたしに駆け寄ると、手をのばした




「…っ―――!!!」




とっさに殴られると思い、きつく目を瞑った




…けれど、身構えたわたしの体のどこにも強い衝撃は与えられなくて





代わりに頬に温かくやわらかい感触がした










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