双華の香



「――…ん、完成」



わたしが目を開けると、すっと鏡をこちらに向けて



それに写った自分を見る





「わぁすごーい!ありがとうみっちゃん!」





そう言って、みっちゃんの胸に飛び込んだ







「うおっ!!」



「やっぱりすごい!みっちゃん大好き!」



「馬鹿!いつもやってることだろ!」




みっちゃんは怒ってわたしを引き剥がす



「照れてるくせにぃ~」


「照れてねーよ!!!ったく…」



そう言いながらも、着物の乱れをそっと直してくれて




「ほらいってこい、団子屋の看板娘」




そう優しく微笑んでくれた












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