双華の香



――――――――



「いらっしゃいませー!お団子はいかがですかぁー」



日も昇って通りに人が増える頃、番頭さんはお店を開けた



「小春ちゃん、団子3つ!」



「はいっただいまー!」




ここのお団子屋さんはこの辺りでも多く愛されていて、たくさんの人が食べにくる



そこの『看板娘』をつとめるのがわたし



っていっても、看板娘だなんて申し訳ないくらいの未熟者だけど




「小春ちゃんはほんにいい娘だなぁ」



「もう少しくらい色気があってもいいくれぇだがなぁー」



「馬鹿言えおめぇ、小春ちゃんはまだそんな歳じゃねーよ」


「惜しいよなぁ…」



そんな声まで聞こえる



…そう、聞こえてるのよおじ様方…ははは…






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