双華の香



「だからあれは…その…」



「いいよー別に気にしてないから」



「めちゃめちゃ気にしてんだろお前」



「ふんっ」




さっきからずっとこれの繰り返し




「わたしまだ15だし?色気なんて出るわけないもん」



「…いや、15ならあるやついるだろ普通に」




その言葉にむっときて、わたしは立ち上がる



いきなりのわたしの行動にみっちゃんは驚いているみたいだった




「おい…?」



「…わたし、散歩してくる」



「…は?今から?」



「そう。みっちゃんは来なくていいから


一人でいく」



「え…いや、危ねぇだろ」



「いい!!ひとりで行くから!!


番頭さんに伝えといて!!」




つい大きな声になってしまったけれど


かまわずそのままお店を飛び出した









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