自由恋愛の秘密
 それで,たまたまこの前,別れるタイミングが一緒で。

 飲み会のときにいつものように恋愛観を話してたら,その結末が「…で,別れることになってさぁ」で。

 「初めてタイミングあったんじゃない?」って,笑った記憶がある。

 で,気がついたら,いつも家にこいつがいた。

 …好きなんだけど,これは恋っていうものなのか,それとも友達として好きっていうのが最高レベルなのか…

 最近よくわからなくなってる。

 でも,いないと寂しいし。

 困ったとき,助けてくれるし。

「…って,聞いてんの?咲?」

「…あっごめん,何だっけ?」

 あーまた勝手に二人について考えちゃったよ…

「聞いてなかったならいいよ」

そう言って智光は,私を見つめていた目をギターへとそらし,力強く弾き始める。

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