私と年上男とルームシェア




「あ、茜…」


涙ぐんだ声だった




「どうしたの!?」


尋ねると香澄ちゃんは今から会えるかと言った

私は香澄ちゃんの居場所を聞いて、そこに向かった


私と香澄ちゃんがいつも別れる駅


周囲を見渡して香澄ちゃんを見つけた




「香澄ちゃん!」



「呼び出して…ごめん」



「ううん、そんなの気にしないで。少し場所変えよっか…うちでいい?」


私は香澄ちゃんを連れて、マンションに戻った


戻ると、亮太さんが帰って来ていた
仕事が早く終わって帰って来たみたい




「初めまして、上杉香澄です。お邪魔します…」



「今泉亮太です。それじゃあ、俺は自分の部屋にいるから」



「いえ、亮太さんも聞いてください」


部屋に行こうとしていた亮太さんを香澄ちゃんは呼び止めた

温かいお茶を出して、香澄ちゃんの向かいに私と亮太さんは座った




「それで…どうしたの?」


香澄ちゃんはお茶を一口飲んで、口を開いた




「私…彼氏と別れたの」


最近、彼氏と上手くいっておらずすれ違っていたと言った

そしてある日、彼氏が女の人と歩いているのを見てしまい、これ以上一緒にいられないと別れを切り出したと…


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