好きなもんは好き。
舞香は、昔からよく笑う子供だった。
表情が豊かで、泣くのも笑うのも怒るのも常に全力って言葉が似合う子供。
部屋だって毎日のように行き来して、ずっと一緒に遊んでた。
幼稚園も小学校も中学も全て同じで、お互いの良き理解者でありながら、
俺の中で、舞香の存在がどんどん大きくなっていった。
……いつから、なんてはっきりわかんないけど。
いつの間にか舞香が好きになってたんだ。
「う〜ん、打ち上げ花火ってどれくらい大きいんだろうね?綺麗だと良いなぁ!」
「先生達があげるんだからそこまでだろ。」
「え、なにその現実的な発言。夢見ろや。」
…ただ、本人は俺のことなんて眼中になしって感じだし、筋金入りの鈍感。
ほんと、いつになったら気付くのかねー。
まあ、如月とか照に『ヘタレ』って言われる俺も悪いんだけどな。