好きなもんは好き。








「そろそろ打ち上げ花火を行います。生徒の皆さんは片付けを始めてくださーい!」








あの後、何種類もの花火をやり終えたとき、先生の声が聞こえて、みんなで片付けを始め出す。









「楽しかったよね!!もう終わり!?って感じ!」






「確かにあっという間だったね。」






「でも、打ち上げ花火もきっと綺麗よ?」






「それもそっか!んふふ、楽しみ!!」







優紀と如月とはしゃぐ舞香を横目で見て、いそいそとバケツの水を捨てに行く。







「あ、待って、恭平、あたしも行くよ?」






「平気。案外重いしこういうのは男の仕事だろ。」





「な、なにそのイケメン発言…!?」







目を見開いて驚いている舞香に、なんでだよ、と突っ込みたくなる。







俺はそこまで男として見られてないのか!








小さく、はぁ、とため息をつきながら1人で校庭の反対側にある水道場へ向かった。










「櫻田くん!?来てたんだぁ〜!誰と来てたのぉ〜??」






「…舞香と、優紀達と。」






「えっ、一ノ瀬くんもぉ!?イケメンコンビ!!いいなぁ〜、一緒にやりたかったぁ!」






知るか。






水道場でバケツの水の処理をしていると、突然甘ったるい声を出した少し派手な女達に話しかけられる。








ていうか、確実に初対面だよな?…名前も顔も知らないんですが。







「舞香って、ああ、小篠舞香ちゃんかぁ〜!幼馴染なんだよねぇ〜、ずっと一緒じゃつまんなくない?確かに可愛いけどぉ、うちらの方が多分楽しいと思うよぉ?」







後ろにいる数人と顔を見合わせてケラケラ笑う女が言った言葉にイライラが募る。





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