好きなもんは好き。
【舞香side】
─────────────……
花火大会から数週間、紫乃と遊んだり、恭平の家に行って照ちゃんに罵られたり、課題に追われたりした夏休みも明けて。
今日から2学期のスタートです!!
「皆さん席に座ってくださーい!」
賑やかな教室に先生が入ってきて、続々と席にみんなが着きだす。
「HRを始める前に、皆さんに紹介しますね!香山さん、入ってください。」
西野先生が廊下のドアへ向けて言ったと思ったら、ガラッと開いて女の子が入ってきた。
ザワザワしてた雰囲気が一瞬で変わったのを感じる。
……め、めっちゃ美少女なんですけどおおおおおおお!!!?
「香山華(かやま はな)です。どうぞよろしくお願いします。」
ペコッと頭を下げたあと、前を向いた香山さんをまじまじと見てしまう。
ポンパドールの前髪に、茶色がかかって腰まである緩いウェーブの長い髪。
身長は小さめで所謂小柄な体型で、白い肌に長い睫毛。茶色が少しかかった瞳。
正真正銘の美少女。それ以外に表しようがない。
可愛いいい!!!ていうか普通に綺麗いいいいいいい!!
紫乃と同じくらい美人なんて初めて見た!!
そう思ってるのはあたしだけじゃなくて、さっきと違う騒めきがクラスに広がる。
香山さんって席どこになるのかな…!?って、あ、…このクラスの空席って…。
「じゃあ、香山さんは窓際の1番前の席に座ってもらってもいい?櫻田くん、よろしくね。」
恭平の隣しかないじゃんんんっ!!!
西野先生がそう言うと、「はいっ」と香山さんが頷いて、恭平の隣に座る。
と、同時に、あたしの携帯が静かに震える。
…紫乃からメッセージ?
気になって、机の下でバレないようにこっそり内容をみると、
『なんだか波乱の予感、ね?』
とだけあった。
…意味不明なんですけど紫乃曰く波乱の2学期の幕開けです!!!