好きなもんは好き。






昼休みでザワザワしている教室の扉を開けて、中に入ると、華ちゃんにみんなの注目が集まったのが分かった。







やっぱ華ちゃんの人気すごいなぁ〜!








なんて思いながら廊下側の紫乃と別れて、華ちゃんと一緒に席に戻ろうとすると、








「Trace!!?」







いきなり、興奮したような声が隣から聞こえて驚く。







え、華ちゃん!?ど、どうした…!?








とりあえず華ちゃんの方へ振り向くと視線が恭平のクリアファイルに注がれていた。








Trace…?あ、そういえば恭平がこのバンドの音楽が好きだ、って言ってたな…。








「華、Trace大好きなんですっ!!!それ、限定のクリアファイルですよね!?」








少しいつもよりも大きい声で目を輝かせながら言う。







おおう…、こんな華ちゃん初めて見たぜ…、可愛い!!










「あ、うん、限定品の奴だけど…」







「櫻田くんもTrace好きなんですかっ!?」






「うん、好きだよ。」








若干被せ気味に言う華ちゃんに頷く恭平。







な、なんかわかんないけど意気投合したって感じかな…?









うん、あたしの話なんて要らなくても話せるね、普通に☆








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