好きなもんは好き。







「───え?」






「いや、だからため息、もう5回目だよ?って。」









顔を覗き込む一ノ瀬くんにハッとして、笑顔を作る。









前も心配かけちゃったのに今日もとかありえないでしょ!あたしのばか!










「ううん、なんでもないっ!大丈夫!」








「…そう?小篠さんこの前からずっと元気無いように見えるから。」









「…あー、アハハ…」









バレてる…どんだけ考えてることダダ漏れなんだよあたしのバカ……。









昼休みになった今は図書館の当番中で、カウンター利用する人が今日は少ないから一ノ瀬くんと協力して本の整理をしているところ。









そんな中ぼーっとしてるとか気使わせるじゃん!あほ!










「…小篠さんの悩みが何かわかんないけど、俺でよかったらいつでも頼って?」










スッと少しかがんであたしよりもはるかに高い目線を合わせて柔らかく微笑んでくれる。









リアル天使…、天使に心配させるなんてあたしは何様なの!!









華ちゃんといい一ノ瀬くんといいリアル天使多すぎ!!









「うん、ありがとう、一ノ瀬くん。」







一ノ瀬くんに自然に笑い返してお礼を伝える。







…うん、ちょっとだけ元気出た、かも。








一ノ瀬くんのおかげかな!









「…っ、恭平ってずるいよな。」







「…ん?なんか言った?」







「何でもない、本の整理、頑張ろ?」









聞き返すとなぜかはぐらかされちゃったんだけど…、一ノ瀬くん何言ってたんだろ?








不思議に思いながらも一緒に本を返しに行く。








ああ、恭平とちゃんと話しなきゃなあ…









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