好きなもんは好き。






─ガラッ






そんな図書室の扉が開く音がして、視線をうつすと、







「恭平?!!」








唖然とした恭平を見つけたって、ちょっと待ってこの体勢確実に誤解されるよね?!









サッと、一ノ瀬くんと密着してた体勢から立て直す。







この時間0.03秒ね。







恭平なんか怖いもん!!!!










ズカズカ無言で近づいてくる恭平に、焦る。









え、ちょ、なんか怒ってるよね?!絶対怒ってるよね?!







ていうかあたし、恭平に合わせる顔がないんですけど!!!








1人アタフタしてる間に、いつの間にか真横に来てた恭平に腕を掴まれて引っ張られる。








「えっ、きょ、恭平どこ行くの?!??!!?!」








「いいから、ついてこい」








え、一ノ瀬くん置いてきちゃったよ!?いいの?!








腕を引っ張られるがままに、歩く恭平についていく。









掴まれてる腕が異様に熱い。








あの!心臓が結構バックバク言ってるんですが!









「待って、恭平!!」







これ以上この状況が続くととりあえずなんかよくわかんないものを吐いてしまいそうだったので(おい)









無理やり足を止めて恭平への手に力を入れる。







そしたら案外あっさりと、離してくれた恭平にホッとしながら、前を向いたままの恭平に俯く。







「…お前さ、誰が好きなの?」






「…は?」







いや、誰って言われても、なに…?








あたし、昨日恭平に(キレながらだけど)告白した、…よね?








「優紀と何があったか知らねえけど、…顔赤くさせるし、俺の話は全然聞かないくせに武には笑って会話してるし、なんなの?」








不機嫌を表すように低い声で、スラスラ話す恭平にハテナマークがたくさん増えていく。









ま、町田くん…と一ノ瀬くん…?







なんで怒りの矛先にその2人も?







「一ノ瀬くんとは、あたしが体勢崩して転んだところを助けてもらってあの体勢になっちゃっただけで…別に何も…」







「…運動神経なさすぎ」








ちょ、なんかすごい暴言が飛んできた気がするんですけど?!?!










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